はじめに
昨今、モデルの進化が凄まじく、外部ハーネスを作り込まなくてもモデル自身の推論に委ねることで、性能を最大限に発揮できるようになってきました。 そこで、AIにタスク管理から実装までをオーケストレーションしてもらう仕組みを導入することにしました。 これにより、人間の負荷が下がり、日々の生産性が向上しました。
日々の仕事で感じていた負担
OrcaやHerdrなどのAIエージェントを並列管理する場合、日を跨いだりすると作業進捗の管理が難しく、「どこまで進みましたか?」などをAIエージェントに確認するフローが発生していた。 そして進捗報告を行うのはAIではなく人間であるため、どうしても各種ワークツリーに対しての確認作業が発生していた。
目指した業務フロー
会議の内容には進捗報告が含まれているため、これを文字起こししてもらい、そこからタスクの整理、タスクの指示を1人のAI社員にオーケストレーションしてもらう業務フローを目指した。
仕組みの全体構成

カレンダーアプリから会議情報を受け取った録音アプリが、文字起こしをOrcaへ渡す。Orcaがタスクを整理し、人間のレビュー後に各ワークツリーへ実装を依頼する。
カレンダーアプリ
カレンダーアプリはメニューバーに常駐しているアプリケーションで、Google Calendar と接続している。 登録されたイベントの時間前に通知と時間になったら画面の最前面に参加を促す画面を表示する。 録音アプリに会議の情報(タイトル、参加者名)を渡し、録音アプリを起動する。
録音アプリ
会議情報を入力して録音することができる。システムから流れている音声を自分以外と認識し自分の発言はマイクからの入力を受け付けて区別する。 録音後はローカルのモデルを使用して文字起こしを行い、Orca CLIを通して Orca に文字起こし結果のパスを渡す(この時、Claude, Codex などプロバイダーは指定できる仕組みを導入している)
タスク管理アプリ
AIエージェントが読み書きする専用のタスク管理ダッシュボード、SKILLとMCPを持っており、プロバイダーに依存しない接続が可能。 内部で持つチケットには、タスクIDを持たせて、Orcaのワークツリーにも同じタスクIDを持たせ、重複が起きないような仕組みにしている。 人間も確認できるように、WebUIを持っている。 現在は、タスクの棚卸しをOrcaのスケジュール機能で毎日報告するようにしている。
Orca:AIへ実装を任せる
Orca は CLI から操作できるようにスキルが内蔵されているので、外部からワークツリーを作成したり、セッションを開始することができる。 これを利用して、オーケストレーションを行うAIエージェントがディスパッチしてタスクを開始する仕組みになっている。
人が判断する範囲
可能な限り人が介入しないフローを目指しているものの、オーケストレーションAIがディスパッチする内容に関してはレビューが必要な場合が多い。 これは、タスク管理アプリとの連動で、前日から続いてるタスクなのか、新規タスクなのかの判断がモデルの推論では難しい部分があった。
実際に運用して分かったこと
実際運用してみて思ったのは、2026/09 の時点のモデルでも十分精度の高い仕組み化は可能ではあるものの、オーケストレーションのモデルは高い推論モデルとそれなりのコンテキストウィンドウは必要である。(各種依頼先から返答を受け取って保持する必要があるため) ただし、タスク管理の精度部分で全てがスムーズにいってる感じはしないので、ここは改善ポイント。
これから
フローとしては問題がないものの、タスク管理の精度部分で課題があり(特に文字起こしからタスク管理アプリと繋いでタスクの洗い出しをするとき)、改善を行っている。 また、タスク管理とは別にパーソナルナレッジベースも運用しているため、ナレッジベースにタスク管理機能をマージするのはありかもしれない…と模索中。